「なんて謙虚なスケーターなんだ」。それが国民栄誉賞の彼に抱いた印象でした。

 6月、人気のアイスショー「Fantasy on Ice」が名古屋で初開催されました。世界的スケーターによる群舞や、広瀬香美さんらトップ歌手とのコラボは、圧巻でした。なかでもショーを盛り上げていたのが、8年ぶりに愛知のショーに出演した羽生結弦さん。どこを切り抜いても美しい演技、時に視聴者も意識したカメラ目線のパフォーマンス、中継スタッフとしては、どのアングル・サイズの映像を選ぶかに良い意味でとても悩みました。

 すごいのは本番だけではありません。事前のインタビューでは、名古屋の喫茶店で食べたきしめんの思い出や伊勢神宮の空気に感動した話など、この地方に住む人が思わずうれしくなるようなエピソードを丁寧に話し、また、練習前には撮影スタッフにまで深々とお辞儀をするなど、世界のトップに君臨してもなお、謙虚な姿勢に感服しました。

 この7月、プロスケーターに転向し、高難度ジャンプに挑戦し続ける羽生さん。「選手」として最後の雄姿を見せたこのアイスショーの模様を約3時間の完全版として26日(金)深夜1時34分から放送します。ぜひご覧ください。(山口悟司ディレクター)
※朝日新聞名古屋本社版 2022年8月24日掲載『教えて!ウルフィ』/ 「選手」最後の羽生さん

画像: ウルフィを掲げる羽生結弦さん

ウルフィを掲げる羽生結弦さん

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