東海地方のご当地食材「角麩」!その気になる正体とは?

冬のご馳走「すき焼き」のある具材をめぐり、今まさに巷では大論争が巻き起こっています。

その具材とは…そう!東海地方のご当地食材「角麩」。

そこで今回の「あらゆるサーチ」では「すき焼きに角麩を入れる派?入れない派?」を大調査します。

画像1: 東海地方のご当地食材「角麩」!その気になる正体とは?

そもそも「角麩」とは一体何なのでしょうか?

名古屋・西区にある、麩の専門店「麩柳(ふりゅう)商店」で聞いてみました。

専務の新井智久さんによると、麩は元々中国から日本に伝わったそう。

江戸時代には全国に知られるようになり、次第に独特な変化を遂げたんだとか!

画像2: 東海地方のご当地食材「角麩」!その気になる正体とは?

特に、京都で生まれた京生麩は、全国的に有名です。

他にも、日本各地にご当地の麩があり、ここ東海地方では「角麩」が根付いています。

同じ麩でも、その土地ごとに異なる見た目や味、食感になっていると思うと、ぜひ食べ比べてみたくなりますね。

画像3: 東海地方のご当地食材「角麩」!その気になる正体とは?

角麩が、一般的な生麩と大きく違う点は原材料です。

生麩は「もち粉」を使うのに対して、角麩は「小麦粉」を使います。

そのため、角麩は「ちくわぶ」に似た、固めのもちもち食感となるのです!

東海地方のスーパーでは、寒くなる時期が角麩の売り上げの最盛期。

煮物をはじめ、さまざまな料理で愛用されるなど、この地域で親しまれる超ローカル食材なんです。

愛知・岐阜県民の「角麩愛」!なぜすき焼きに角麩を入れるようになったの?

東海地方で大人気の角麩ですが、全国製麩工業会の会長、中田善行さんによると、すき焼きに角麩を入れるのは、愛知県と岐阜県の方だけなんだとか。

真偽を確かめるべく、愛知県民と岐阜県民に、すき焼きに角麩を入れるかどうかのインタビューを実施!

「すき焼きでは一番角麩が大好き。お肉より大事な存在。」「すき焼き界の王様です!」

ついには、角麩は飛騨牛に匹敵するとおっしゃる方まで登場しました。

県民の皆さんの角麩愛…半端ありません。

このように、愛知・岐阜県民に大人気の角麩ですが、そもそもすき焼きに入れるようになった理由とは、一体何なのでしょうか?

画像1: 愛知・岐阜県民の「角麩愛」!なぜすき焼きに角麩を入れるようになったの?

名古屋文理大学短期大学部の名誉教授、佐藤生一さんによると、東海地方では濃い味が好まれる傾向があるんだそう。

角麩はギザギザの形をしているので、その分表面積が広がり、味が染みこみやすいのもポイント。

画像2: 愛知・岐阜県民の「角麩愛」!なぜすき焼きに角麩を入れるようになったの?

染みこんだ前と後の角麩を比べてみると、別の食材なのかと思うくらい、色が全く違いますね!

「すき焼きといえば角麩!他の具材のすべての味を吸い込んだ角麩を食べさせてもらえることに喜びを感じます。」

「次の日めちゃくちゃおいしい。すき焼きの名脇役!」

県民の皆さんのコメントを聞くと、ますます味が染みこんだ角麩を食べてみたくなります。

長時間グツグツと煮込んで味が染みこむ角麩は、東海地方の方にとって、余計おいしく感じられるのかもしれませんね!

すき焼きに角麩を入れるのは東海地方の一部の地域だけだった!

一方、インタビューを進めていると「すき焼きに角麩を入れない派」の方もちらほら・・・。

「(角麩)合うのかな?すき焼きに。入れるとおいしいなんて聞いたことない。」

「見たことあるけど入れないです。野菜と肉だけ。」

角麩を入れる入れないの謎を解決すべく、街の皆さんにご協力いただき「すき焼きに角麩を入れる?入れない?の分布図」を作成してみました!

画像1: すき焼きに角麩を入れるのは東海地方の一部の地域だけだった!

分布図を見てみると、愛知県の中でも一宮市を中心とした「尾張地方」、岐阜県の中でも岐阜市や「西濃地方」出身という限定的な地域の方だけが「すき焼きに角麩を入れる派」なのが分かります。

同時に、名古屋市出身者の9割ほどが「すき焼きに角麩を入れない派」ということが判明!

ちなみに「すき焼きに角麩を入れる派」が大多数を占める尾張地方の豊山町民の方からは、給食のすき焼きにも角麩が入っていたとの情報をいただきました。

それにしても、なぜ東海地方の中で限定的な地域だけ、角麩をすき焼きに入れるようになったのでしょうか?

画像2: すき焼きに角麩を入れるのは東海地方の一部の地域だけだった!

岐阜県で180年以上続く、麩の会社「麩兵(ふひょう)」の6代目店主、川島徹郎さんによると、麩を作るには、たくさんの水が必要なんだそう。

そのため、長良川をはじめ木曽三川がある地域で、角麩が作られるようになったんだとか。

角麩作りには、2日間水に浸す工程があるため、きれいな川の近くでないと、おいしい角麩が作れなかったんだそうです。

画像3: すき焼きに角麩を入れるのは東海地方の一部の地域だけだった!

また、愛知・岐阜で「麩」を製造する会社の所在地を見てみると、長良川・木曽川・揖斐川周辺に多く存在していることが明らかに!

川島さんの見解では、昔から麩を扱う店が多い木曽三川一帯の出身者が、身近にあった角麩をすき焼きに入れたのでは?とのことでした。

また、角麩は安くてタンパク源が豊富ということから、昔は、すき焼きにいれる牛肉の代わりとして、ベストな具材だったんだそう!

飛騨牛に匹敵するとコメントした「すき焼きに角麩を入れる派」の方がいらっしゃいましたが、まさにその通りの役割を担っていた食材だったとは驚きです。

すき焼きに角麩を入れたことがない、食べたことがないという方も、きっと味の染みこんだ角麩を食べてみたくなったのではないでしょうか?

皆さんもぜひ「すき焼きに角麩」挑戦してみてくださいね♪

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